映画「ひめゆりの塔」の主人公であるひめゆり学徒隊が看護補助要員として従軍した病院壕群で、実際に中を見学できるようになっています。20号は当初内科として機能していましたが、戦局が悪くなると外科の患者が急増し、元の外科を第一外科、内科であった20号を第二外科に改めました。20号は長さ約70m、高さ約1.8m、横幅約1.8mの人口の横穴壕で、入り口から中央に向かってカーブした作りになっています。これは入り口からの銃弾などの攻撃を防ぐ意図があったといわれています。中央部分は19号、21号と交わる交差点のようになっており(19号壕、21号壕は落盤しており立ち入り不可能になっています。)、壕の中で一番広いこの場所が手術場となっていました。手術場の近くの通路には壁に横幅90cmの寝台が2段作り付けてあり、上の段には重症患者が、下の段には比較的軽症の患者が寝かされていたといいます。実際にガイドの説明を聞きながら20号の見学を経た後、南風原文化センターで病院壕の再現レプリカを見ると、より沖縄戦の凄惨さを実感できることでしょう。